かつてアメリカでは、キャンプやマリンスポーツにはピックアップトラックが欠かせなかった。その荷台にシェルを被せ、どんな荒れ地にも分け入る走破性に、積載性と広い居住空間を兼ね備えたのが元祖SUVだ。今では多くのSUVが乗用車ベースだが、デザインの上で「タフさ」は外せない要素であり、ゆえに車高が高い堂々たるボディがひとつのアイデンティティとして受け継がれている。
一方で、90年代に入るとステーションワゴンの魅力が開花する。こちらはセダンの落ち着いた居住空間はそのままに、積載性に優れたカーゴスペースをプラスした。都市でのオンタイムから、違和感なく快適にリゾートでのオフタイムへと走ってゆける。そのエクスプレス性こそが、SUVには無いステーションワゴンの特権である。 300C ツーリングの誕生は、その特権を究極まで磨き上げた、圧倒的にパワフルなステーションワゴンの誕生を意味している。
300C ツーリングには、力強くしなやかに走るための最新テクノロジーがふんだんに散りばめられている。5.7L V型8気筒 HEMI®エンジンが目覚めると、後輪駆動レイアウトがそのパワーを余すところなく受けとめる。ほぼ50:50という理想的な重量配分である上に、ブレーキアシストを備えたエレクトロニクス・スタビリティ・プログラム(ESP)や、滑りやすい路面での機動性と方向安定性を高める、オールスピードトラクションコントロールといったテクノロジーの数々が、直進性もコーナリング性能も磨き上げ、どんなステージでも最高のパフォーマンスを発揮する。